From the Lab 実証実験の取り組み紹介

全自動ドリンカーロボットによる
ホテルオペレーションの最適化

2026.06.23 サービスロボット関連
全自動ドリンカーロボットによる<br>ホテルオペレーションの最適化

背景

近年、宿泊施設では観光客の増加やニーズの多様化に伴い、質の高いサービスの提供がますます求められています。一方で人手不足が続く中、ホテル併設のレストラン運営においては調理や配膳といった日常業務がスタッフにとって大きな負担となっています。

こうした課題を受けて、タップ ホスピタリティラボ 沖縄(以下THL)では、デジタル技術を活用した業務の効率化とサービス品質向上の両立を目指し、さまざまな実証実験に取り組んでいます。

 

概要

THLの1階にあるT-Cafeでは、お客様がモバイルアプリ(THL App*1)で注文したドリンクを、ご用意してからお席への配膳までをすべて自動で行うシステムの実証実験を進めています。

これまでのドリンクサーバーはシステム連携ができない物も多く、異なるメーカーのロボットや機器を組み合わせる場合どのように連携させるかが課題でした。

本実証実験では、既存のドリンクサーバーや複数メーカーのロボット、IoT機器を活用しながらそれらを統合的に制御することで、ドリンクの用意から配膳までの完全自動化を目指しています。

 

*1 THL Appは、THL施設内で提供されるサービスを利用するためのアプリです。お客様の宿泊体験をより良いものにするために開発され、宿泊予約の取り込みやアプリでのチェックイン・チェックアウト、施設内のサービス利用まで、多彩な機能を提供しています。

 

人手不足を支える、全自動ドリンカーロボット

全自動ドリンカーロボットシステムは3つの機器と、それらを連携させる統合制御の仕組みで構成されています。

アームロボット

ドリンク用のコップを取り出し、作り終わったドリンクを配膳ロボットに正確に渡します。


製氷機に設置されたIot機器
IoT機器

ドリンクサーバー機器の物理的なボタンを、遠隔から制御します。これにより、氷やドリンクが自動でコップに注がれる仕組みです。

配膳ロボット

完成したドリンクを載せて、お客様が座っているテーブルまで自動で運びます。

 

 

現場運用で顕在化した連携の課題

これらはTHLの開業当初から運用が開始され、課題を見つけては改善を重ねてきました。例えば、複数の注文が立て続けに入った際に、配膳ロボットがまだ定位置に戻っていないのに次のドリンクが作られてしまい、ロボット同士の連携にズレが生じる問題が発生していました。


配膳ロボットの定位置制御のため、ドリンクメイクの作業台下部に設置された二次元バーコード
二次元バーコードによる定位置制御

これに対し、ロボットの待機位置に二次元バーコードを設置し、ロボットがそれを読み取って確実に定位置にいることを確認してから、次のドリンクを作るよう制御することで解決しました。

さらに最近では、通信機能を備えた新しいコーヒーマシンを導入し、アームロボットとのシステム連携による実証運用を開始しました。これにより、コーヒーマシンの状態(エラー発生やコーヒー豆・牛乳などの材料不足)がシステムを通して可視化されるようになるため、スタッフがいちいち手動で確認する手間が省け、より安定したドリンク提供が可能になります。

また、最新機器との連携はもちろん、現在ホテル様の現場で多く稼働している一般的な製氷機やジュースサーバーといった既存設備についても、安定した制御を実現することも不可欠です。

通信機能を備えた最新機器への切り替えを検証していくとともに、既存設備も含めた『ドリンク作成から配膳まで』の全工程における可視化(見える化)も追求してまいります。これにより、あらゆる環境下で最適なオペレーションを提供できる体制を整えていく考えです。

こうした現場での継続的な検証を通じて、宿泊施設への展開に向けた技術的・運用的な実現性が一層高まりつつあります。

 

まとめ

将来的には、ホテルシステムやルームサービスロボットとの連携を強化し、ゲストの宿泊履歴からお好みのドリンクを自動で選別してウェルカムドリンクとして提供するなど、よりパーソナライズされたサービスの実現も視野に入れています。

今後もTHLでは、実運用で見えてきた課題を一つずつ丁寧に検証し、実験の精度向上と安定稼働に努めてまいります。

最終的には、こうした取り組みを通じて宿泊施設における業務効率化とサービス品質向上の両立に繋げ、観光業界全体の発展に貢献することを目指してまいります。


システム構成

アームロボット
IoT機器
配膳ロボット


関連部署

株式会社タップ ホスピタリティサービス工学研究所

 マーチャンダイズR&D部 マーチャンダイズ開発課
 ソーシャルイノベーションR&D部 ソーシャルイノベーション開発課


※2026年6月時点の情報です


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